観ているうちに、世界の気配が鎮まり、自分の心の内側へ内側へと
入りこんでいくようでありました。
そして、埋もれていた無数の記憶が目を覚まし光り、
風に吹かれ……それはまるで「自分に会う旅」のようでありました。
工藤直子(詩人)
生と死は軽々しく口に出来ないから、痛々しくもひとは真一文字に口を結んで生きていくのです。人生の答えは海のように壮大。その広さが挫折も哀しみも溶かしてくれる。素晴らしい映画です。
辻原達也(長崎教区カトリック司祭)
寄せては返す波の上、小舟に揺られて浮遊するひととき。
わたしたちはどこから来て、どこへ帰るのか。
川内倫子(写真家)
天草の島々に囲まれた胎内のような内海の奥深くにある御所浦島に
若き監督とスタッフたちは何かに憑かれたように通い続けた。
都会育ちの主人公はるが、この島で不思議な老人たちと出会って
成長していく物語とともに監督もスタッフの誰もが変わっていった
後ろ姿が想像できる。
そこにこの小さな物語の静かに心に響く感動がある。
佐藤真(ドキュメンタリー映画監督)