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[ 2012/12/26 ] 『はだしのゲン』中沢啓治さんのこと

『はだしのゲン』中沢啓治さんのこと

『はだしのゲン』作者の中沢啓治さんが12月19日、肺がんのためご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

中沢啓治さんは映画『はだしのゲンが見たヒロシマ』の中で自身の広島での被爆体験と戦後を力強く生き抜き、漫画『はだしのゲン』を描くまでの半生を語りました。戦争を知らない、広島を知らない若者である私は初監督で中沢啓治さんという大きな存在と向き合うことになり大変悩み、緊張していましたが、中沢さんはそんな私を「あなたが監督なんだから思い切りやってみなさい」と励ましてくださいました。中沢さんはその生涯をかけて次の世代に向けて平和への思いと生きることの大切さを表現し続けた方です。私達若者にそのメッセージを託そうと、優しく見守って下さっていたのです。中沢さんは白内障、網膜症のために筆を執ることが出来なくなりましたが「力の続く限り、今度は語ることで戦争・原爆と闘うんだ」と、亡くなる直前まで酸素を吸引しながらも映画の観客、子ども達の前で語り続けました。闘い続けたその姿を私は決して忘れません。

ご遺族からのファックスを引用します。
「いま中沢は星となり、ゲンと供に空から核兵器のない平和な世界の出現を願っていることと思います。私たち遺族は中沢の願いが叶うことを信じ、その一助となれるよう頑張って生きていきたいと考えております」
亡くなる前日に新刊の「はだしのゲン わたしの遺書」(朝日学生新聞社刊)が手許に届き、それを見届けるような旅立ちだったそうです。

中沢さんの思いは漫画を読んだ、お話しを聞いた、たくさんの若者に引き継がれました。私もそのひとりとして、これからも映画を通して少しでも多くの方に中沢さんのメッセージを届けることができるよう努めてまいります。

中沢啓治さんの残した証言は人類にとっての宝です。
中沢さん、ありがとうございました。


『はだしのゲンが見たヒロシマ』監督
石田優子

映画『はだしのゲンが見たヒロシマ』
公式サイトはこちら

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