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松ヶ根乱射事件

人間って 悲しくて、可笑しくて、情けなくて、いとおしい。

公式サイト

作品写真

シグロ、ビターズ・エンド、バップ
2006
1時間52分

製作:シグロ、ビターズ・エンド、バップ
監督:山下敦弘
企画・製作:山上徹二郎
脚本:向井康介、佐藤久美子、山下敦弘
撮影:蔦井孝洋
音楽:ロケット・マツ

  • 第19回東京国際映画祭コンペティション部門正式出品

とある地方の田舎町・松ヶ根。

1990年代初頭、雪の降りしきるこの町の国道で女(川越美和)の死体が発見される。警察官の光太郎(新井浩文)が女の検死に立ち合っていると、 突然女はその場で仮死状態から目を覚まし、自らを池内みゆきだと名乗る。刑事(光石研)はひき逃げされたことをまったく覚えていないと証言する彼女の話を怪しむが……。

個性派俳優大集結!

主人公・光太郎を演じたのは、『ゲルマニウムの夜』につづき主演二作目の新井浩文。本作では律儀な印象で親近感を感じさせると同時に、ふいに見せる不気味な視線にドキッとさせられる。双子の兄・光には、これまで舞台を中心に活躍してきた山中崇。ふたりの父親を演じた三浦友和は“ダメ男”をいきいきと演じ、謎めいた確信者として映画に君臨している。また、近年映画界からのオファーが絶えない木村祐一が、町に突如現われる男をコミカルに、リズミカルに演じきり、松ヶ根の町を笑いとスリルでかき回せば、木村と絶妙なコンビネーションをみせた川越美和が、独特の間とセリフまわしで異彩を放つ。そのほか、キムラ緑子、烏丸せつこ、西尾まり、安藤玉恵、康すおん……と、脇を固める俳優陣も個性派が勢揃いし、田舎町の奇妙な空間を見事に彩っている。

エンディングまで鳴り響く、運命的マッチング

本作の音楽を担当したのは、14人編成のアコースティック・オーケストラ・バンドの「パスカルズ」。バイオリン、ピアニカ、ウクレレのほか、オモチャの楽器も多用し築きあげた音楽はニュートラル且つ遊び心にも富み、本作のユーモアにさらなる解放感を与えている。また、エンディング曲として使用されているボアダムスの楽曲「モレシコ」は、まさに90年代初頭に発売されたアルバム『POP TATARI』からのエントリー。運命的マッチングは、ラストシーンの後にも用意されている。